2017年12月12日、環境省主催の「第5回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」がミャンマー連邦共和国・ヤンゴン市において、同時期開催される「第3回アジア太平洋水サミット」(アジア太平洋水フォーラム・ミャンマー連邦共和国主催)の期間中に開催されました。
本ワークショップは、過去4回(東京2回、バンコク・ジャカルタ各1回)開催されたワークショップの成果を踏まえ、アジア諸国の経験を共有し、今後取り組むべき課題や方向性について共通認識を得るとともに、アジアにおける分散型汚水処理の更なる推進に向けて各国関係者のネットワークの構築や連携強化を目的としています。分散型汚水処理システムの適正な普及により、アジアにおいて国連SDGsの衛生に関するターゲット6.2と6.3の達成に向け、公衆衛生の改善と水環境の保全に寄与することが期待されています。
今回のワークショップでは、ミャンマー国内からは政府関係者、ヤンゴン市開発委員会、マンダレー市開発委員会を含む39名(うち発表者3名)名、その他海外からは8名(うち発表者5名)、日本からは環境省をはじめ、JICA、日本サニテーションコンソーシアム、浄化槽システム協会等20名(うち発表者4名)、計67名がワークショップに参加しました。
ワークショップの開会式では、本ワークショップの共催者であるヤンゴン市開発委員会のDaw May May Thwe委員と、環境省浄化槽推進室松田尚之室長が挨拶され、ワークショップ開催の意義を強調し、会議の成功に期待が寄せられました。
各国の代表からは、分散型汚水処理に関する規制・制度、分散型汚水処理施設の運営管理について、政策や規制、行政としての取り組み事例と課題、分散型汚水処理施設の規格と性能評価試験制度、途上国での成功事例および汚泥管理の現状などの発表がなされましした。また、ミャンマー国内で浄化槽ビジネスを展開しているクボタ浄化槽システム株式会社と株式会社ダイキアクシスから、ミャンマーおよび他の途上国での浄化槽事業の実施状況と課題について発表がなされました。発表後の質疑応答では、座長リードのもと、フロアから多くの質問や意見が出され発表内容について議論を深めることができました。
パネルディスカッションでは、登壇した各国代表のパネリストからだけでなく、フロアからも多くの意見が出され、活発な議論が展開されました。最後に、アジアの国々における分散型汚水処理の推進に向けた共通認識がまとめられ、ワークショップの共同宣言として全会一致で採択されました。
今後、宣言文で明確にされた分散型汚水処理の課題の解決に向けて、アジア各国が生活排水対策の重要な施策として、分散型汚水処理が推進されることが期待されます。
次回「第6回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」は、2018年9月に東京で開催されるIWA世界大会にあわせ、東京で開催される予定です。
各国の代表からは、分散型汚水処理に関する規制・制度、分散型汚水処理施設の運営管理について、政策や規制、行政としての取り組み事例と課題、分散型汚水処理施設の規格と性能評価試験制度、途上国での成功事例および汚泥管理の現状などの発表がなされましした。また、ミャンマー国内で浄化槽ビジネスを展開しているクボタ浄化槽システム株式会社と株式会社ダイキアクシスから、ミャンマーおよび他の途上国での浄化槽事業の実施状況と課題について発表がなされました。発表後の質疑応答では、座長リードのもと、フロアから多くの質問や意見が出され発表内容について議論を深めることができました。
パネルディスカッションでは、登壇した各国代表のパネリストからだけでなく、フロアからも多くの意見が出され、活発な議論が展開されました。最後に、アジアの国々における分散型汚水処理の推進に向けた共通認識がまとめられ、ワークショップの共同宣言として全会一致で採択されました。
今後、宣言文で明確にされた分散型汚水処理の課題の解決に向けて、アジア各国が生活排水対策の重要な施策として、分散型汚水処理が推進されることが期待されます。
次回「第6回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」は、2018年9月に東京で開催されるIWA世界大会にあわせ、東京で開催される予定です。
<参考資料1>ワークショッププログラムと発表資料
第5回アジアおける分散型汚水処理に関するワークショップ
開催日 | 2017年12月12日 |
場所 | メリアヤンゴンホテル |
主催 | 日本国環境省、ミャンマー連邦共和国ヤンゴン市開発委員会 |
後援 | 日本サニテーションコンソーシアム 一般社団法人浄化槽システム協会 |
事務局 | 公益財団法人日本環境整備教育センター |
開会式
発表者:Daw May May Thwe(ヤンゴン市開発委員会、委員)/松田 尚之(環境省環境省環境再生・資源循環局、廃棄物適正処理推進課、浄化槽推進室長)
センション1-1
分散型汚水処理に関する規制と制度
座長:河村清史(元埼玉大学教授)
日本における分散型汚水処理システムとその法体制 (3516KB) 発表者:井上 剛介(環境省環境省環境再生・資源循環局、廃棄物適正処理推進課、浄化槽推進室、指導普及係長) |
マレーシアにおける分散型汚水処理の規制と規格 (4177KB) 発表者:Mohd Roslee Bin Mahyudin(マレーシア国家上下水道委員会下水道規制部、技術標準化・コンプライアンス課、主任) |
ミャンマーにおける分散型汚水処理の規制と規格 (3724KB) 発表者:Thien Min(ヤンゴン市開発員会、水衛生局、局長) |
センション1-2
分散型汚水処理に関する規制と制度
座長:蛯江美孝(国立環境研究所 主任研究員)
座長:蛯江美孝(国立環境研究所 主任研究員)
べトナムにおける排水管理と汚水処理 (519KB) 発表者:Nguyen Ngoc Duc(ベトナム建設省、技術基盤管理局、下水道管理課、専門官) |
インドネシアにおける分散型汚水処理の規制と規格 (3434KB) 発表者:Elis Hastuti(インドネシア公共事業・住宅省、人間居住研究所、水衛生局、技術適応・サービス課、課長兼研究員) |
タイにおける分散型汚水処理の規制と規格 (2153KB) 発表者:Wilasinee Yoochatchaval(タイ国立カセサート大学、環境工学部、環境工学科講師) |
セッション2-1
分散型汚水処理施設の運営管理
座長:橋本和司(日本サニテーションコンソーシアム 顧問)
座長:橋本和司(日本サニテーションコンソーシアム 顧問)
ミャンマーにおける分散型汚水処理施設の維持管理 (8021KB) 発表者:Khin Maung Win(ミャンマーウォーターエンジニアリング社) |
インドにおけるサニテーションシナリオとオンサイト汚水処理システム (2280KB) 発表者:Ramakant(インド住宅都市省、公衆衛生局、副課長) |
マンダレー市における分散型汚水処理施設のマネジメント (3624KB) 発表者:Aye Aye Khaing(マンダレー市開発委員会、水衛生局、技師) |
セッション2-2
分散型汚水処理施設の運営管理
座長:雲川新泌(日本環境整備教育センター 浄化槽システム国際協力センターリーダー)
座長:雲川新泌(日本環境整備教育センター 浄化槽システム国際協力センターリーダー)
革新的な適正コミュニティ向けの汚水処理技術の開発と普及 (7567KB) 発表者:田中 直(NGO APEX代表) |
ミャンマーの水環境改善に貢献する汚水処理施設(浄化槽) (3460KB) 発表者:片桐 拓也(株式会社ダイキアクシス、グローバル事業本部) |
浄化槽システム (2560KB) 発表者:池田 航(クボタ浄化槽システム株式会社、海外営業部) |
パネルディスカッション
- モデレータ
橋本和司 日本サニテーションコンソーシアム顧問 - パネリスト
・Mohd Roslee Bin Mahyudin マレーシア国家上下水道委員会、技術標準化及びコンプライアンス課、主任
・Nguyen Ngoc Duc ベトナム建設省、技術基盤管理局、水道管理課、専門官
・Elis Hastuti インドネシア公共事業・住宅省、人間居住研究所水衛生局、課長
・Wilasinee Yoochatchaval タイ国立カセサート大学環境工学部、講師
・Khin Maung Win ミャンマーウォーターエンジニアリング社
・Ramakant インド住宅都市省、公衆衛生局、副課長
・松田尚之 環境省環境再生・資源循環局、廃棄物適正処理推進課、浄化槽推進室長
・河村清史 元埼玉大学教授
・蛯江美孝 国立環境研究所、主任研究員
共同宣言文 (95KB) |
注
- SDGsターゲット6.2
2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなく す。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。 - SDGsターゲット6.3
2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生 利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。