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「第6回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」が開催されました

2018年9月19日、環境省主催の「第6回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」が浜松町の世界貿易センタービルWTCカンファレンスセンターにおいて開催されました。

本ワークショップは、過去5回(東京2回、バンコク・ジャカルタ・ミャンマー各1回)開催されたワークショップの成果を踏まえ、アジア諸国の経験を共有し、今後取り組むべき課題や方向性について共通認識を得るとともに、アジアにおける分散型汚水処理の更なる推進に向けて各国関係者のネットワークの構築や連携強化を目的としています。平成27年9月に国連の持続可能な開発目標SDGsが採択され、水分野ではターゲット6.3に「2030年までに未処理排水の割合の半減」という大きな目標が掲げられました。

今後、このSDGsの達成に向け、アジア各国における分散型汚水処理、ひいては浄化槽システムの推進がさらに加速することが期待されます。

今回のワークショップでは、一般社団法人浄化槽システム協会をはじめ、一般社団法人建設コンサルタント協会を通じて参加を呼び掛け、建設コンサルタント企業や浄化槽関連企業など、日本から約50名(うち発表者5名)に参加いただきました。

また、中国からの38名を含む約50名(うち発表者7名)の海外参加者を迎え、全体で約100名がワークショップに参加し、大変活気に満ちたワークショップとなりました。同時期に開催された「2018年国際水協会(IWA)世界会議・展示会」への参加者に出席いただけたことも、本ワークショップ参加者の増加につながったと考えられます。

はじめにワークショップの開会式では、本ワークショップの主催者である環境省の浄化槽推進室 松田 尚之 室長が挨拶し、ワークショップ開催趣旨を説明したうえ、ワークショップの成功に期待を寄せました。

各国の代表からは、午前中のセッションで「汚水処理の現状と政策」と題して各国の分散型汚水処理への取り組みについて発表いただいた後、午後のセッションでは、「維持管理と人材育成」及び「性能評価試験」に焦点を当ててディスカッションを行いました。

登壇した各国代表のパネリストからだけでなく、フロアからも意見が出され、活発な議論が展開されました。IWA会議参加者を含め海外からも多くの参加者があり、分散型汚水処理に対する関心の高さがうかがわれました。

最後に、各セッションの座長である、河村清史氏(元 埼玉大学教授)、橋本和司氏(日本サニテーションコンソーシアム 顧問)、蛯江美孝氏(国立研究開発法人国立環境研究所 主任研究員)、また教育センターの雲川がそれぞれのセッションの内容をレビューし、ワークショップサマリーが提案され、閉会となりました。このワークショップサマリーは、後日、各国招聘者に共有され、内容について承認されました。

また中国からの参加者である楊敏氏(中国科学院生態環境研究センター 副所長)から、より一層のネットワーク形成の場が重要であり、今後もこのようなワークショップの開催に期待する、旨発言がありました。またベトナムからの招聘者であるDr. Viet Anh Nguyenからは、次回のワークショップはぜひベトナムで開催し、同国の分散型汚水処理の普及につなげたい、という発言がありました。

次回、「第7回アジアにおける分散型汚水処理に関するワークショップ」は、2019年9月にベトナムで開催される予定です。

ワークショップのプログラムと発表資料

第6回アジアおける分散型汚水処理に関するワークショップ

開催日
2018年9月19日
場所
WTCコンファレンスセンター(東京都港区浜松町)
主催
日本国環境省
後援
日本サニテーションコンソーシアム
一般社団法人浄化槽システム協会
事務局
公益財団法人日本環境整備教育センター

主催者挨拶

発表者:松田 尚之(環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 浄化槽推進室 室長)

発表センション1

汚水処理の現状と政策(1)
座長:河村清史(元 埼玉大学教授)
発表者:板倉 舞(環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 浄化槽推進室 指導普及係長)
発表者:Prof. (Mr.) Viet Anh Nguyen(ベト・アン・グエン)(ハノイ土木大学 環境科学工学部 教授)
発表者:Dr. (Ms.) Meixue Chen(メイシュウ・チェン、陳 梅雪)(中国科学院 生態環境研究センター 中国住宅・都市農村建設部 農村汚水処理技術北方研究センター 准教授)
発表者:Ms. Chaitra Devoor(チャイトラ・デボール)(インド住宅都市開発省 公衆衛生・環境技術中央機構 技官)

発表センション2

汚水処理の現状と政策(2)
座長:橋本 和司(日本サニテーションコンソーシアム 顧問)
発表者:Mr. Thein Min(テン・ミン)(ヤンゴン市開発委員会 水衛生局 副局長)
発表者:Mr. Mohd Roslee Bin Mahyudin(ロズリー・ビン・マヒュディン)(マレーシア国家上下水道事業委員会 下水道管理局技術標準・コンプライアンス課 主任)
発表者:Dr. (Mr.) Pham Ngoc Bao(ファム・ンゴク・バオ)(公益財団法人 地球環境戦略研究機関 自然資源・生態系サービス領域 主任研究員 水・衛生スペシャリスト)
発表者:Mr. Muhammad Iqbal Perkasa(ムハンマド・イクバル)(インドネシア公共事業・国民住宅省 人間居住総局 環境衛生整備局 コミュニティ環境・衛生整備ユニット プロジェクトマネージャー)

ディスカッションセッション1

維持管理と人材育成

< パネリスト:5名 >
Prof. (Mr.) Viet Anh Nguyen(ベトナム)
Dr. (Ms.) Meixue Chen(中国)
Mr. Muhammad Iqbal Perkasa(インドネシア)
Mr. Thein Min(ミャンマー)
宮城 成和 氏(日本)

座長:雲川 新泌(日本環境整備教育センター 浄化槽システム国際協力センター リーダー)
発表者: 雲川 新泌(公益財団法人 日本環境整備教育センター 浄化槽システム国際協力センター リーダー)
発表者:宮城 成和(大五産業株式会社 ミャンマー事業部 部長)

ディスカッションセッション2

性能評価試験

< パネリスト:4名 >
 Dr. (Ms.) Meixue Chen(中国)
Mr. Mohd Roslee Bin Mahyudin(マレーシア)
Dr. (Mr.) Thammarat Koottatep(タイ)
Ms. Chaitra Devoor(インド)

座長: 蛯江 美孝(国立研究開発法人国立環境研究所 主任研究員)
発表者:蛯江 美孝(国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 主任研究員)
発表者:Dr. (Mr.) Thammarat Koottatep(タマラット・クータテップ)(アジア工科大学 環境資源開発学科 准教授)

クロージングセッション

モデレーター:橋本和司(日本サニテーションコンソーシアム 顧問)

ワークショップの様子

公益財団法人
日本環境整備教育センター
〒130-0024
東京都墨田区菊川2-23-3
TEL.03-3635-4880(代表)


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